気になるところ
1)背部痛、こり感が半端ない。
2)伸展通、胸郭右後面を中心に動作痛がある。
3)頸部後面の凝り感
4)左の胸郭株―腰部のじんわりとした痛み
仮説と検証
1)姿勢評価
前額面
右鎖骨と第2肋骨前方変位
第8肋骨(→)特に右外側へ張り出していた
右肩が側方変位しているようにも見える
右肩甲骨が胸郭につられて外転下制変位(巻き込み肩)になっていた
矢状面
前方頭位:第2胸椎後方吐出(屈曲)
以外はそこまで亀背でもなく、代償性の腰椎過伸展(そりこしの)の制限も認めない
2)動作確認(+:所見あり)
屈曲:腰椎(+)にて胸椎に同調しない屈曲制限
伸展:胸椎(+)にて腰椎だけ過伸展(特に下部腰椎)して、動作の腰椎依存性が高い
回旋:胸郭右回旋の動作が左回旋対比より少なく、クライアント様もその状況を感じる。
評価結果
胸郭の左回旋(第8肋骨の右側方吐出)の要因あり→徒手修正を行うと回旋運動が正常化、更に右鎖骨と第2肋骨の前方吐出も軽減した。
胸郭の変位に追従して肩甲骨も外転下制し持っていかれての変位→前鋸筋の過緊張を認めた
上記の確認を行うももう少し左右全体的に回旋運動が乏しい→脊柱起立筋群の過緊張?
問診でもあったが左の腰腸肋筋に痛みを感じている→一見、矢状面からの姿勢評価で猫背は無いが努力性の抗重力伸展活動を起こしているのでは?
確認のために骨盤後傾位に自動運動をしてもらう→ほぼ骨盤後傾運動が出来ない、更に骨盤後傾運動を徒手介助を行うと、胸郭を丸めて行う代償運動があった
腰椎の骨自体の屈曲動作制限も考えられるが、ここでは腰腸肋筋に動作痛もある事から、脊柱起立筋群の過作用よりも腰椎自体の屈曲制限が問題であるとした。
コンディショニング
1)脊柱起立筋側屈エクササイズ(他動性)にてトリートメント
2)胸椎伸展エクササイズ
3)腰椎屈曲+起立筋伸張エクササイズ(座位)
4)骨盤前後傾エクササイズ
備考
やはり腰椎の屈曲可動性制限からの腰部発痛は否めない
理由として、腰椎の可動域が増大すると自動的なのけ反りを行っても背部の違和感が減少した。
ホームエクササイズにて経過観察を行い、最低でも1か月以内には確認を行いたい。