気になるところ
ボディビル(美ボディ)を目指されている、ショルダープレスなど腕を上げる動作にて左肩関節と鎖骨窩周辺に問題あり。
1)左肩、動作時のつまり感がある
2)左鎖骨窩、朝方の安静痛
3)患側、左上腕の動きは無理をすれば挙上可能、五十肩の様に関節可動域制限は無い
4)手先の痺れは無い
特に安静痛は日常生活にも不安があり、今後も特に悪化をするイメージからのご来院。
仮説と検証
1)肩関節周囲炎との鑑別
手先の痺れなど、神経症状は無いし胸郭出口症候群のような問題点も無し、先ずは前額面と矢状面の姿勢評価と動的要素からの要因を探る。
2)姿勢評価
前額面(前方)
左鎖骨の前方吐出と足方下制(右側比)
左第2肋骨も前方吐出と足方下制(右側比)
左大胸筋が大きい
上記の事かから、胸郭が右回旋を起こしている
前額面(後面)
左肩甲骨の後退(内転・挙上)
右肩甲骨の巻き込み(外転・下制)
肩甲胸郭関節に位置する肩甲骨は胸郭上で正常なアライメントを失う、加えてヒトは胸骨に対し垂直に腕を伸ばす。
その正常な動きとは裏腹に使いやすい位置へ補正、つまり目視で見た位置に修正すべく、前述の肩甲胸郭関節のアライメントへ自ら変化させた。
この事で右前鋸筋の過緊張を認める。
矢状面
やや前方頭位
やや胸椎屈曲
比較的上半身重心:下半身重心:身体重心の直線状のずれなど問題点は意外に少ない。
となると動的要素に矢状面では問題がある可能性
3)動的評価
屈曲:腰椎(+)胸椎に同調し前屈が困難
伸展:胸椎(+)腰椎ののけ反りに同調できない、下部腰椎の伸展が過剰に起きている
回旋:体幹左回旋(+)、体幹のセンターが既に右へ向いているので出来ない。
体幹が右に向いている事で、左鎖骨が肩甲骨と胸骨の間で圧縮を受けて、本来正常な動きが出来ない、腕など動作時に追従できないためとつまり感や痛みはあると考える。
コンディショニング
1)胸椎伸展エクササイズ
2)左胸鎖関節と肩鎖関節の圧縮を抜くための大胸筋と小胸筋ハンズオン(手技)
3)鏡を見ての呼吸法と、姿勢維持指導
4)右前鋸筋ハンズオン
備考
実はこの日は土曜日で、午後から筋トレをされに行かれたそうです、お電話を頂き「何をしても痛みが全くない」とのご報告を頂きました。
この事から今回の仮説と検証自体の評価は良かったのだとフィードバック出来ました。