気になるところ
左肩の痛み
- 昨年12月頃発症
- ご自身の勤務先の病院で「肩関節周囲炎」の診断
- 今年3月ステロイド1回、ヒアルロン酸3回注射→痛み変化なし
- リハビリ無し
- ご自身で慢性期と考えて自然治癒を待つ
- しかしながら4か月経過後も何も変わらず、安静痛が日により発症
- ご家族が見かねて当院へご連絡下さる
評価と仮説
- 診断は「五十肩」である
- 時間経過で自然治癒可能と考えられていた
- インピンジメント兆候もあり、前額面・水平面と共に90°以上のROMが無い
- このまま放置すると棘上筋腱板を痛める可能性がさらに増す
先ずは病態からの今後のリスクをお話し、可動域(運動からの可動域拡充→痛み軽減と好転)のメカニズムをお伝えし、今後どのように経過するのか?またどれだけの日数がかかるのか?おおよそをお話しご理解いただき施術に入る。
1)姿勢評価
前額面
胸郭右回旋
左肩甲骨外転・下制からの肩鎖関節胸鎖関節コンプレッション
左鎖骨下制
右鎖骨挙上
矢状面
前方頭位
胸椎屈曲
スウェィバック姿勢
骨盤後傾
股関節軽度屈曲
膝関節軽度屈曲ー下腿は床面より垂直
まるでショットバーの椅子に座った状態をエアーでしている姿勢
2)動的評価
前屈(+)ROM少ない
伸展(+)腰椎優位の伸展動作
回旋(+)体幹左回旋出来ない
3)他評価
左肩関節(肩甲上腕関節)
挙上(+)90°以下
外転(+)90°以下
伸展(+)体側より後方へ行けない※結滞動作が一番苦痛と聞く
内旋(+)
外旋(+)
肩甲胸郭関節評価
左肩甲骨下方回旋→上方回旋ROMが無く徒手で誘導しても動かない
上記から、回旋腱板の機能低下があり肩甲胸郭関節の動きも少なく、完全に肩甲上腕リズムが出来ない事を認めた、先ずはそのリズムを取り戻すための自動運動を徒手で賦活化させる事を、痛み最小限に行い筋紡錘やゴルジ腱の過剰反応を抑え運動促通を行いたい。
コンディショニング
- 胸椎伸展エクササイズ
- 胸式呼吸エクササイズ
- 肩甲帯徒手介入し腱板賦活化
- 次回は7日以内で30分の施術を行い、セルフエクササイズを含め経過観察を伝える
備考
ほぼ何も体感的には変化なし、しかしながら結滞動作は痛みが減少し今後の希望を感じて頂いた。
ここが一番大切で、クライアント様がやる気にならないとこの病態は克服できない、今まで私自身もここに至るまでの整体屋として尽力すべき点、また出来るようにならないといけない部分と確信している。
胸椎屈曲は残存したものの、矢状面の姿勢もかなり好転が見れたので今後も良い方向へ変化するのは確信できた、但し日数がかかるのをいかにモチベーションを維持させるかだ。