リンク:あちこち渡り歩いて楽にならない腰背部痛3 70代 女性 介護職
気になるところ
ご自身で姿勢が良くない気がする
その姿勢で歩くと左ひざに痛みを感じる気がする
以前の様な腰背部痛・肩こり他問題点は消失した
今回は姿勢について特に考察した
- 矢状面確認で姿勢は以前に比べて格段と好転した
- その理由として胸椎伸展ROMが出て姿勢制御の方法が変化した
- 但し、歩行などの動作に移るとまた亀背が目立ち以前の姿勢に戻る
何故、その姿勢になってしまうのか?ここが問題点として考える必要性を感じた
評価と仮説
今回は静止時の姿勢評価は割愛し、歩行についての評価を行うがAPA(先行性姿勢制御)が出来ていない
歩こうとされた瞬間に猫背になってしまうCPA(代償性姿勢制御?)
つまり大腿四頭筋で体幹を垂直に持ち上げるしか戦略がなく、抗重力伸展筋が長年の代償から低下し、現在の運動シナジーがそう記憶されているのでは?と仮説を立てる
昇降台を使い評価した
- 台へ足を挙げようと片脚立位姿勢になろうとしてもしにくい→例えば右足を挙げようとすると左へ荷重しないうちに足を挙げようとしている感じがある(ふらつきまでないが不安定性)
- 1の理由としてCOPが既につま先にあり、支持基底面ぎりぎり前方へあると考えられた→抗重力筋が作用しにくいのでAPAが上手く作用しない
- 昇降台へ片足を置いて、ヒールレイスしにくい→腓腹筋の低下も伺えた→歩行時に滞空時間を稼げないのでストライドも少なく、体幹を持ち上げる四頭筋歩行しか出来ない
上記から、立位→歩行時のAPAが上手く作用していない事へと確認できた
コンディショニング
- 胸椎伸展
- 足部機能改善エクササイズ
- 体幹機能改善エクササイズ
- 階段昇降リハビリ&セルフエクササイズ
備考
ヒトは何かしらの動作を行う前に「準備」を行う
そのひとつとしてAPAがある、大脳基底核がこの問題には関わり筋骨格系の問題だけではないと思われる、それを脳へ再度学習させる必要があり、それを放置すると代償の積み重ねで痛みを作る結果になる分かりやすい症例になる。