気になるところ
頸背部の倦怠感と若干の痛み
- 2-3年前から感じる違和感
- 寝たら楽になる
- 可動痛と言うより安静や同じ姿勢が辛い
- 座位・立位が辛い
- 10年前既往は頸部脊柱管狭窄症で右腕が痺れる
- 総合病院で診断を受けてその際は頸部へカラーなどはめて過ごす
- 頸椎経由の問題は、特に急激に好転した気にならない
- 良くならないと思い、矯正を行う整体院へ行く(4回目で好転した)
- 本人談「病院でも好転しない?整体院で良くなった」椎間狭窄症の特性から好転期間(時間)もかなり必要、施術(矯正)より経過日数から好転かも知れない可能性
- 今回は前述整体院へ行かないで当院へのご来院、動機は「院長が亡くなられ世代が変わり良くないと感じた」「近所だったし近い」との事でした
上記の問診を引き出しながら情報を統合し評価とすり合わせる
評価と仮説
1)姿勢評価
前額面(-)
矢状面(+)
前方頭位
胸椎やや亀背
スウェィバック姿勢(腹横筋を随意的に抜いて姿勢戦略を行っている)
抗重力伸展活動を常に多裂筋+腸腰筋ではなく脊柱起立筋で行っている事から、背部脊柱回りの倦怠感があると考えられた。
2)動的評価
屈曲(+)前屈深度が浅い→柔軟性の低下、脊柱起立筋過緊張由来での遠心性収縮の低下か?
伸展(+)伸展は腰椎と股関節の過伸展(スウェィバック姿勢の延長上)、頸椎・胸椎の伸展協調性が無い
回旋(-)
胸椎は既往の脊柱管狭窄症があり、伸展運動を嫌う傾向がある
この事で頸椎が先行的に伸展を起こさない事からも、以下胸椎も動きにくい&動かしたくない→伸展操作は仕方無いので腰椎が代償しハイパーモビリティ―している傾向。
クライアント様は身長がとても高く187cmくらいある、お仕事も配送業と1日中車に乗車し着座からの骨盤後傾ー上行性運動連鎖から胸椎屈曲固定が続く。
実は4年前から転職されて今の仕事との事、つまり問題の発症時期から考えるとその頃からのマルアライメントが影響しているとも考えられた。
3)他評価
胸椎の屈曲→呼吸の精度、腹部コアを抜いているのか?否かの確認を呼吸を行い評価した
胸式呼吸→(+)吸気時に身体がのけ反り呼気には前傾方向へ動く
胸椎の固着を確認
他動的に胸椎伸展を行う為に、床へ背臥位姿勢になり胸椎へロールを入れて評価→頭部の浮きと胸椎伸展制限を認めた(+)
コンディショニング
- 胸椎伸展エクササイズ
- 胸式呼吸エクササイズ
備考
術後、出ていたお腹と前方頭位が修正され横隔膜と腹横筋の賦活化を認めた、倦怠感はご自宅に帰り確認と言う事でご自身で経過観察して頂く事を希望された。
追記だが、頸部脊柱管狭窄症はひょっとしたら起立筋群などのアウターで姿勢作りをした代償なのかもしれない、アウターは収縮力は強く継続時間は短い、対してインナーは収縮力は低いが持続性に富んでいる、この事から起立筋群の過緊張から遠心性収縮を許さない状態での問題は、現在落ち着いている頸部症状の再発が懸念される。