リンク:あちこち渡り歩いて楽にならない腰背部痛2 70代 女性 介護職
気になるところ(前回より1か月経過:定期メンテナンスと経過に入る)
右背部-臀部痛
- 以前程の痛みは無くそこまで気にならない
- 今は猫背が原因と分かりその修正としてメンテナンス来院を行う
- 胸椎伸展エクササイズは怖くてやっていない(以前、他整体院の木片でえぐった創傷がまだ痛い感じもした理由)
左膝前部歩行痛
- 7日前頃?から歩くと左膝の歩行痛と違和感がある
- 階段昇降など膝を曲げての負荷痛は無い
- どちらかと言えば膝を伸展した際に痛みは起こる
- 患部の腫れや熱感・膨隆もない
- 痛みの箇所ははっきり言えて、膝蓋骨を中心に全部上下方限定
- そういえばいつもアルバイトは介護の現場作業なのに、長時間の座業があった
評価と仮説
1)姿勢評価
前額面(-)胸郭の回旋も無く、前鋸筋や外腹斜筋の圧迫痛がほぼ無い
矢状面(+)
亀背
前方頭位
骨盤後傾
股関節屈曲
膝関節屈曲
但し、前々回の比較とすればかなりの好転がある
抗重力姿勢について、立位時(意識覚醒)と歩行時(意識低下)ではかなり異なる、写真を撮らない歩行時は亀背が強い→意識低下と共に亀背が強くなることが判明した。
膝についてはやはり歩行時は猫背が強く、大腿四頭筋歩行優位で過緊張からPFジョイントへも圧迫を掛けて膝蓋下脂肪体(IFP)の変性を起こしやすい。
2)動的評価
屈曲(+)やはり動きが小さい、特に腰部が屈曲時平坦で円弧を描かない
伸展(+)伸展時の腰椎依存で、胸椎の協調性が少ない事も否めない
回旋(-)
3)他評価
- 屈曲については年齢的な事もあり、低刺激にてセルフエクササイズ指導も入れながら機能回復を目指す
- 伸展制限は胸椎伸展エクササイズを行い、クライアント様にも上部胸椎の屈曲の原因を再度説明、前回の「創傷不安」が消えた際から再開してもらう、ちなみに当院の施術後に創傷既往部位の圧迫痛などの有無確認→(-)意識の問題と考える
- 以前比較としては、抗重力伸展活動の意識が上がった、なのでメカノレセプターー前庭神経の平行感覚ー体節の深部感覚(位置覚)-視覚ほか、情報統合し姿勢に反映させるトレーニングに入りたい→正常な抗重力伸展活動を取り戻し猫背の修正
- 前方頭位から、頭頚部の動きも制限されがち→前庭動眼神経経路への刺激入力し、姿勢制御の正常化にも貢献したいと考える
- 左膝前部痛についてはIFPの問題があり検証をHoffa's testにて検証→(±)違和感は感じたのでPFジョイントの賦活化を行う
コンディショニング
- 胸椎伸展エクササイズ
- 胸式呼吸
- 前庭リハビリ
- 左PFジョイントの滑走性改善エクササイズ
備考
姿勢の悪化は「骨の変位」もしくは「意識低下」がいつも課題に上がる。
但し骨の変位や筋委縮など器質的変化が長きに渡り意識低下が続いてしまうと、骨・筋も委縮し制約を受けて更に意識も「出来ない」と考えるのではなかろうか?それも加齢すれば尚更である。
分かりやすいのが、子供の頃遊びまわり骨関節系もフレッシュで姿勢もそこまで問題では無かったはず、それが社会に出て机や車にかじりつき猫背な安楽姿勢を定着、その繰り返しでも「生きて行ける」と判断した脳がこの姿勢を支持してしまうのかもしれない、ヒトは出来れば楽をしたいので敢えてしんどい良い姿勢はしなくなる。
そのループをどこかで遮断しなければ延々と続いてしまい、また新しい痛みを作りやすい事が言える。