担当:由美CPT
気になるところ
首の痛み
- 動作痛
- 伸展痛
- 左回旋痛
肩が挙がらない
- 五十肩までいかない
- 両側同時
- 目一杯上げると痛みが有る
評価からの仮説
一見して矢状面からの姿勢から推察可能を実際の評価から列挙する
1)前額面
- 頸部右屈
- 上部胸郭左回旋ー肩甲骨アライメントは右大胸筋・小胸筋を仕事柄使う事からも過緊張で体側中心へ引き寄せる
- 下部胸郭右回旋ー肩甲骨アライメントは左外腹斜筋との筋連結から前鋸筋を緊張させて胸郭とのアライメントはロッキング
- 骨盤後傾
- 股関節前捻角はある程度深いが、骨盤から(しいて言えば胸郭アライメント)下行性運動連鎖でやや開き気味
- 前述骨盤後傾は座位にて顕著に現れ、股関節も外旋を認めた
2)矢状面
評価の前に特筆するべきことがある
- スーパーの総菜担当で立ち仕事が多いが、下肢アライメントは問題く姿勢代償の屈曲もない
- しかも筋力も発達するべくでもなく腿の太さもそこまで細くない
この事からも上肢への過負荷が大きいと感じた、以下評価
- 前方頭位気味
- 上部胸椎やや屈曲
- お腹を前方へ突き出すスウェィバック姿勢
3)動的評価
屈曲:(+)前屈深さも少ない
伸展:(+)腰椎主導からの伸展、立位姿勢でもスウェィバック姿勢が伺えたことも加味し腹圧低下を認める
回旋:(+)左回旋痛
4)他評価
- 下肢は問題ない→上肢の問題
- 腹圧低下→腹式呼吸優位を仰臥位で腹部の動きからも推察
- 両上腕の挙上困難因子は胸椎伸展が少なく、肩甲骨も背中へ回り込むことができない
- 胸椎の新制限は胸式呼吸を阻害する→呼吸の介助を行いながら胸郭の伸縮を確認すると小さく感じる
- 立位時と座位時の姿勢が異なる、座位の時はかなり背中が丸くなる→支持基底面が拡がるので安楽姿勢になりやすい→モーターコントロールの書き換えも必要かも知れない
- 仕事柄、シンクへ寄りかかり作業→上肢の前屈支点がTH12-L1辺りで屈曲が特徴→通常ならth7-9が屈曲
この事を考慮しコンディショニングと検証を行う
コンディショニングと検証
- 胸椎伸展エクササイズからの他動的胸椎伸展制限の解除
- 胸式呼吸介助
- 左外腹斜筋・前鋸筋リリース
- 右大胸筋・小胸筋リリース
- 頸部アイシング
備考
術後頸部の傾きが修正され、上腕挙上角度も180°挙上まで好転
但し頸部の可動痛は姿勢マルアライメントからの深部炎症の可能性もあるので、伸展痛はNRS8→5(痛みの10段階評価)にとどまる、ご自宅でも行うようにアドバイスして経過観察。
クライアント様には初回は7日程度に現状の経過を確認しながら今後のコンディショニングで、継続して痛みを解消する方向へお手伝いできればと思います。