気になるところ
頸部・肩こり・頭痛ほか腰痛までの慢性的な問題
問題が多重化されている感じもするが、概要はどうも伸展筋群にあると考え問診をした
- 20代からの肩こりがあり特に出産後が酷い→お腹が出て、重心位置も変化?
- 膝などの問題も過去あり→専門医へ受診
- 前述、全身症状で辛い事から別の専門医へ行くも「いつまで?どれだけ?」先が見えない事も辛い
- 自宅から通勤路が当院の前を通られる、何かしら変化が無いのか?という事で今回ご来院になられた
- 肩こりが酷い時には高校生の娘さんに肘で背中を押してもらう
- 仕事も事務職ではなく、常に身体を動かしている
- 枕はする派
仮説と検証
問診等前提がある
- 抗重力伸展活動に使う背面筋群の収縮が原因?そんな問題点が数多い
- 肩こりが酷いと頭痛までしてくる
- 昔は吐き気も含んだ頭痛もあった
- 前述から血圧の上昇との関連性?→血圧は正常値→ボディスーツを愛用→腹圧を高め腹部コアの低下を招き→胸郭のスタビライズを高めてしまう
- 寝ていても枕愛用から前方頭位を寝ていても助長し、姿勢マルアライメントを作ってしまう
この事を加味して各評価を行う
1)姿勢評価
前額面
- 下部胸郭右回旋
- 上部胸郭左回旋
- 右肩甲骨外転下制(巻き込み)肩鎖関節ー胸鎖関節のコンプレッション→肩挙上困難とインピンジメント兆候
- 前捻角は大きく、股関節は内旋傾向
矢状面
- 前方頭位
- 頭部は重心点を後方へ戻すために天井を見つめる姿勢
- 胸椎屈曲(猫背)
- 骨盤後傾
- スウェィバック姿勢
2)動的評価
屈曲(+)無痛・ROM低下(可動域)
伸展(+)頸部の痛みでのけ反れない、胸椎は伸展に協力的ではない
回旋(+)左回旋しにくい
上記の事から
- 胸椎伸展可動域がなく猫背→つまり伸展可動域がない
- 上部胸椎th1-3:第1-3胸椎のマルアライメントから下部頸椎が屈曲、下しか見えない為中部頸椎は急激に伸展しそこの痛みと前方頭位が出来上がる
- 胸椎の屈曲は肩甲骨の外転+下制を生んで、基本的な肩甲上腕リズムの崩れを招き上腕挙上制限→特に右側が顕著
- 胸椎の屈曲の原因は「枕」と「ボディスーツ」の可能性
- 枕は寝ていても前方頭位姿勢→脊柱起立筋・頭板状筋ほか頭部―頸部に関わる筋群へ影響、姿勢の固定
- ボディスーツは腹部組織の自由度を奪いコアの低下と、締め付けからの循環障害を招く可能性?
- 前述からの固定は「胸郭や下肢がしなきゃ」と脳が判断した
- これらの問題から現在のモーターコントロールが出来上がり、代償痛が酷く問題点へ繋がったと考えた。
コンディショニング
- ボディスーツを止めて頂く
- 枕を止めるように指導(アライメントが整い漸進的に低くする)
- 胸椎伸展エクササイズ
- 胸式呼吸
- 右前鋸筋リリース
- 左外腹斜筋リリース
備考
次の段階まで来たら腹部トレーニングなども加えて行きたい、先ずは背中を伸ばして止めるべき習慣を止めて経過観察