リンク:左肩と首が痛い背中の骨が出てきた3 30代 女性 ドラックストアースタッフ
気になるところ(現在メンテナンス期としての来院)
- 左肩と首の痛みは朝起きれないほどの痛みは軽減し現在はNRS2程度(痛みの10段階評価)
- 先日美容院で背中が出てきた感じがすると聞いて以降、気になって仕方がない
- そもそも背中の出っ張りはご自身でもかなり気にされていた
- 前回の膝痛は消失
仮説と検証
以前、姿勢からの抗重力伸展活動の代償痛として肩こり腰痛が酷いと言う問題点から今回も評価と検証を行う。
1)姿勢評価
前額面
上部胸郭左回旋・・→右小胸筋・右大胸筋
下部胸郭右回旋・・左外腹斜筋
上記児湯角の変位に対し、肩甲胸郭関節のアライメントは問題ない
股関節前捻角は浅い方で股間節の内旋他は無い→運動連鎖的には骨盤後傾になりやすい
2)矢状面
若干の前方頭位
上位部胸椎の屈曲
腰部スウェイバック姿勢
膝関節若干屈曲位
- 姿勢評価から体幹は上部と下部二分してカウンターローテーションしている
- 矢状面ではスウェイバック姿勢で腹圧を抜いて、抗重力伸展活動を作っている?
- 更に踵重心
2)動的評価
屈曲:(+)ROM:無痛で可動域低下
伸展:(+)ROM低下、無痛ではあるが胸椎の伸展が少ない気がする
回旋:(+)若干の左回旋制限
- 伸展可動域の際にスウェイバックしながらの伸展動作を行う事が分かった
- 踵重心の件も、胸部の相反抑制がコントロールできていないのか?→体幹前面の筋緊張から背面側が(特に胸郭)問題を起こす要因?
3)他評価
胸郭の動作制限から、スウェイバック姿勢にて腹横筋をはじめとして、筋力を随意的に抜いて生活をされている事が考えられる。
つまりそうなると呼吸での胸郭の動作が小さいのでは?→(+)
胸郭が小さいのは何が問題なのか?
吸気+呼気の際に介助運動を行い動作を促す→その際に左横隔膜の痛みを訴える→横隔膜が胸椎伸展の相反抑制と呼吸の阻害をしてるのでは?→横隔膜リリース→少し呼吸の際の肺拡張動作が増加
この事からスウェィバック姿勢は、呼吸に於いて肋骨の動きが悪くしいて言えば横隔膜も阻害因子と結論付けた。
コンディショニング
- 胸式エクササイズ2種
- 右大胸筋 小胸筋リリース
- 左前鋸筋リリース
備考
術後、胸郭の拡張と踵姿勢は修正された。
つまり、吸気の際に胸郭が拡がらない事から重心は支持基底面の前方へ位置する、その相殺方法として腰部のコアを随意的に抜いて、重心を後方へ持って行き足らない部分を膝曲げでカバーしていたのが予想できた。
背中の出っ張りは?気にしすぎだと考えた。
- そもそも家系的のものか?
- その理由としてもう以前の様な頸部や肩の痛みはそこまででもない
- 伸展動作他頸部自体の関節可動域も以前より増大し、動かしての痛みが気にならない
この事からも、後天的発症リスクはごく少ないと考え説明した。
気にされる事より胸式呼吸を行う事で姿勢が改善されることを強くお伝えした。