気になるところ
右股関節痛
- 1年前から、右股関節が日常動作で不意に痛みが出る
- 股関節を深く曲げると痛み
- 痛みの種類は「その時ズキッと」激痛系、普段は何もなく動作痛以外は問題ない
- そういえば1年前から転職で職場が変わり、1日中院内を走ったり立ったりしゃがんだりの動作が多く酷使
仮説と検証
1)姿勢評価
前額面
胸郭右回旋
右肩甲骨カウンターローテーション(外転+下制=胸鎖関節と肩鎖関節コンプレッション)
骨盤右下制
骨盤左回旋:上部から続く胸郭右回旋により骨盤がカウンターローテーションしているように見える
股関節内転内旋
股関節ー膝関節内旋
足関節外旋+外返し
矢状面
股関節+膝関節僅かに屈曲
但し、意識低下した段階での姿勢は亀背+骨盤後傾からの下行性運動連鎖での姿勢となる。
つまり日常では姿勢評価ではない姿勢を多々取っている事が言えた。
更に体幹右回旋+右骨盤下制は右股関節骨頭+臼蓋の勘合を高める代償性姿勢
2)動的評価
屈曲:(+)ROM低下(可動域)
伸展:(+)胸椎の伸展ROMが特にない、頸椎も連動し同調
回旋:(+)左回旋出来ない
3)他評価
そもそものクライアント様の股関節アライメントから考えると下記の考察に至る
- 股関節前捻角がとても大きい
- なので胡坐は難しい
- 女子座りが簡単
- 踏まえると、現状では安楽姿勢からの上行・下行運動連鎖から股関節は外旋・外転方向へ作用
- 依って臼蓋のカップから骨頭が外れる方向へ姿勢する(骨頭の被覆率低下)
- 骨頭は前方へ飛び出そうとする
- 腹横筋などコア低下する部位を随意的(意識は無し)に抜いて骨盤右を骨頭と臼蓋を押し付け安定性を出そうとする
- コアの抜けた分だけ外腹斜筋がリカバーに入る
- 股関節の被覆率が不安定なまま、仕事柄立位ーしゃがみ込みの動作が多いのも股関節痛の勝因?
この仮説から以下検証を行う
- 腹横筋を徒手的に入れて、股関節屈曲動作を行う→動作痛NRS8→1
- 一次原因として胸郭の問題も考えられる(喫煙歴20年以上で現在は辞めている)
- つまり胸郭の拡張ー収縮の動作も胸椎伸展ROM制限からも可能性が高い
- 内・外肋間筋の拘縮や機能低下も考えられる
- つまり胸式呼吸が小さく、代償性から横隔膜他コアスタビリティの低下させての股関節へ影響と判断する
コンディショニング
- 腹横筋賦活化テーピング
- 胸式呼吸指導
- 股関節屈曲位での荷重練習
- 内外閉鎖筋トレーニング
備考
テーピングで股関節動作痛を抑える事が出来た。
但しこれは一時性で、根本的には胸式呼吸の改善と腹横筋の賦活化と考えます。
テーピングを取ると股関節の不安感や痛みが戻ってしまう、今後好転するまでテーピングを行うと皮膚がトラブル(痒み)が起こり事も今後の課題。
現時点ではホームエクササイズを行いながら経過観察をして行きます。