· 

既往の腰痛が今回は長引いて不安 40代 男性 会社管理職

気になるところ

腰痛

  • 既往:17歳頃、(第五?)腰椎分離・すべり症
  • 子供から学生時代ー成人野球をしていて、ここ数年前まで現役
  • 以前も1~2日間の痛みが有り治まるの繰り返し
  • 着座・寝返り痛
  • 今回は4日以上続き、好転の兆しが見えないので当院クライアントでもある奥様からのご紹介
  • 急性期ではなく、入浴時に暖まると楽?
  • 安静痛は無い、あくまでも可動痛のみ

 

 

 

仮説と検証

  • 評価をする上で、「腰椎椎体が前方滑り」を起こさない様に行う事が注意点

1)姿勢評価

前額面

ほんの少し前額面上部胸郭左回旋ー肩甲骨とのアライメント異常はない

右大胸筋と小胸筋の盛り上がりを僅かに感じる程度

 

下部胸郭が上部に対しカウンターローテーション?

本来なら左外腹斜筋の過緊張などあるが問題ない程度と考えた

 

矢状面

若干の前方頭位

若干の骨盤後傾

微小の膝の屈曲

 

反り腰やすべり症のクライアント様の腰痛特徴

  • 日常での姿勢保持は猫背が椎間が前方へ出にくいので痛みの回避姿勢をこのように取る
  • 座位では特に股関節以降の逃げ道がない、つまり猫背が強烈に強くなる、カルテ記載時に意識低下で猫背が増強
  • 猫背の際に抗重力伸展活動はインナー低下のため、脊柱起立筋など代償で長期作用し結果的に捻挫するリスクがある→前屈痛も併発→今回来院前の何をしても痛い症状はこの事からと考えた
  • 猫背からの深い胸式呼吸をはじめ、腹部コアスタビリティの低下で腰椎の支持組織は「骨」依存になる
  • 腰椎前方変位を止める支持機構が低下し痛み発症

この連鎖からの回避はコアスタビリティを強化する事にカギがあると考える

 

 

2)動的確認

前屈(-)

伸展(+)痛み確実のためテスト不可

回旋(-)左右差は無い→ただし上部胸郭と下部胸郭の捻じれはコンディショニングを行う

 

動的評価も姿勢評価と並ぶことが言える、以下コンディショニングを行う

 

 

 

 

コンディショニング

  1. 腰ー背部 臀部ー下腿の伸展エクササイズ
  2. 腰ー腹部コアスタビリティ強化エクササイズ
  3. 胸式呼吸練習

 

 

備考

 

流石運動をされているだけあり、柔軟性もアウターにある筋組織はとても良い状態で発達されている。

しかしながら

  • 2-3kg太る
  • 正常な深部筋を使った抗重力伸展活動が随意的に可能
  • 着座動作がきれいに出来る(低所)つまりドッスン座りをしない→腹部コア現存し、賦活化すれば効果は早い可能性
  • お仕事が管理職なので座業が多い、つまり常日頃は骨盤後傾からの腹部コアの使い方をしていないのが常態化→動作自体が動作パターンから欠落している可能性

エクササイズ後の確認として、即痛みが消失したNRS7→1

 

今後も病態から不安定は否めない、再発も早いのでホームエクササイズ指導と野球などの競技時の「腰椎回旋運動」依存動作を行わない、つまり胸郭ほか使える部分を変える練習をするアドバイスもした。

 

7日後にエクササイズの効果他、評価を行いたい。