気になるところ
右肩痛
- 上腕の付け根が痛い
- 上腕の外転・屈曲動作が痛い
- 数か月前くらいから痛みを感じた
- 既往に右肩腱板のインピンジメントがあり、1年前に来院歴あり
- 既往1年前の右肩棘上筋腱板と肩峰、インピンジメントの痛みは前回術後すぐ好転した
- その他の既往は筋性腰痛症もあるが、現在は問題ない
- 仕事で重量物の運搬を手伝いそれから?という感じもある
- 椅子に座り腕を下垂するとじくじく痛い
仮説と検証
既往の右肩インピンジメントとの今回の関係性も含めて評価
1)姿勢評価
前額面
右肩甲骨外転下制
胸郭右回旋
右肩甲骨下方回旋(右肩だ下がっている:健側左対比)
上記から肩鎖関節と胸鎖関節のコンプレッションも疑える、右前鋸筋や左外腹斜筋の拘縮を疑う
矢状面
若干の前方頭位
腰椎過伸展
2)動的評価
今回は肩甲帯に関わる評価を主に行う
胸郭:(+)左回旋ROM(可動域)少ない
肩甲帯:(+)下方回旋からの、肩甲胸郭関節に対しての肩甲骨のスタビリティ評価も(+)→僧帽筋下部繊維低下
肩甲上腕関節ROM
外転:70° 肩甲骨を軽く圧迫し痛みを誘発して見ても発痛はさほど変化ない→インピンジメントの可能性は少なくなる
屈曲:70°
伸展:結滞動作出来ない
いずれも上腕骨結節間溝辺りの痛みを訴える
この事から
肩甲骨外転下制→上腕骨外旋→上腕骨頭前方吐出→亜脱臼方向へ骨頭が動く→上腕二頭筋長頭が骨頭吐出に抑制→上腕二頭筋過緊張→発痛
と考えた、その原因として胸椎屈曲からの肩甲胸郭関節アライメントが不整し、僧帽筋下部繊維の収縮抑制に働き筋力低下もしくは、それを使わない重量物の持ち上げ作業などを行う事で肩甲上腕関節の過負荷も含め結節間溝付近の障害を起こしたと結論付けた。
前述、肩甲児湯各関節のスタビリティの評価(+)でも言えたことである。
コンディショニング
1)右前鋸筋・左外腹斜筋リリース
2)上部胸椎伸展エクササイズ
3)僧帽筋下部繊維強化tr
備考
痛みもそこまでそもそもない、当初は安静痛の事も少し伺ったので炎症も疑うが術後NRS8→2(痛みの10段階評価)にまで好転したことから、その心配も消失した。
今後も1か月に1回は来院が望ましいと伝えた。