リンク:右のテニス肘と言われ良くならない3 40代 男性 製造業機械資材営業
気になるところ
右肘の外側上顆炎(テニス肘)経過
2週間前くらいまではNRS3(痛みの10段階評価)かなり痛みも軽減していた
仕事で右片手に手15kgの重量物を運搬中、不意に肘が伸びてしまい受傷
その際に「ぐちゅ」っと肘辺りで音がした感覚
その日以降、悪化しNRS8まで戻ってしまう
炎症の様な疼きは無いが、痛みの余りご自身で触ったりして現在は入浴すると楽になるとの事。
仮説と検証
1)前回の施術結果
肘の伸展PNF
長橈側手根伸筋リリース
肘の温器法
肘伸展のホームエクササイズ指導
を行いかなり好転していたのに、受傷したとは言えぶり返しは前腕の問題以外にも、肩甲骨-上腕他のアライメント見直しが必要と考えた。
と言うのも既往として右五十肩の歴が数年前に合ったし、肩甲帯のアライメント異常とスポーツ受傷もない観点からの問題が濃厚と考える。
2)姿勢評価
前額面
胸郭左回旋→前鋸筋過緊張で特にrib2(第2肋骨)前方吐出と下制が、健側右rib2に対しある
右肩甲骨が胸郭左回旋にあわせ連れられている(むしろ前鋸筋が左回旋を起こしている)のに、掌の向くの左右差が正常から、上腕のアライメントが一見左右差無しに見える(どこかで相殺して位置合わせをしている)
矢状面
前方頭位、上部胸椎屈曲、腰部スウェィバック、骨盤後傾、膝軽度屈曲
この事からコアスタビリティが抜けている(主要因は上部胸椎の屈曲)
動的評価
屈曲:胸椎主導(+)
伸展:腰椎主導(+)
回旋:右回旋が出来ない→クライアント様に確認を行うと、確かに車のバック時に右後方確認向きづらいとの事
他評価
右肩甲骨の位置アライメント異常なのに掌向きが左右差ない問題点の評価
右肩甲骨が胸郭に伴い外転下制、この位置アライメントが上腕骨過内旋変位を作る→手が挙上できなかったり日常で使いにくいため、必然として外旋位へ自動的に修正される→上腕骨の故意的外旋は肩甲骨が臼蓋に対し前方へ出ようとし脱臼方向へ→それを止めるために上腕二頭筋長頭が過収縮を起こす。
上腕二頭筋長頭・短頭や上腕筋他、肘を曲げる筋肉群と、上腕三頭筋群の様に肘を伸ばす相反する作用の筋が腕には隣接している。
その境目が「筋間中隔」と言われる境目があり、その区画と筋組織が自由を失うと肘を曲げる筋活動の際滑走性低下、肘を伸ばす組織が伸びる事無く肘関節及びその腱付着部へ過負荷し痛みになると考えた。
確認のため、上腕内側筋間中隔の組織をリリースし発痛動作の肘曲げ動作を行うとNRS8→2程度までになった。
但しその効果の持続性は低くホームエクササイズを追加と寒冷期なので温器法10分を追加。
コンディショニング
前回の処方に加え
5)肘の温め10分
6)内側筋間中隔へボールを入れて刺激する。
7)胸椎屈曲の伸展エクササイズ
8)コアスタビリティ強化のエクササイズ
9)僧帽筋下部繊維の筋トレ
クライアント様希望にて、1か月後の経過観察となるのでホームエクササイズも追加した