気になるところ
肩こりほか定期メンテナンスでのご来院
前回は
右脚の身に覚えのない歩き初めの痛み
左臀部ー下腿後面の過緊張と圧迫痛があった
お仕事柄で教材製本のお仕事なので座業、更に前屈位からの座位ながらでも地面に足を着いて踏ん張っている痛みが有った。
経過を確認するとその痛みは消失との事で、今回は後頚部の痛みや姿勢制御の修正を行う(肩こり他不定愁訴対策)
仮説と検証
1)姿勢評価
前額面:胸郭左回旋 左鎖骨挙上
矢状面:若干の前方頭位 上部胸椎屈曲(Th2-3:第2-3胸椎)骨盤後傾 股関節・膝軽度屈曲
姿勢の特徴として、やはり座位(骨盤後傾位)からの体幹他の垂直は保てている、しかし立位ではその外耳孔と外果前方の重心線が合わない。
つまり足部の重心より耳の穴の位置がかなり後方にあり、それを股関節と膝を曲げて相殺し立っているものと考え、その代償痛が不定愁訴に繋がっていると考えた。(荷重に対しての相殺した身に覚えのない脚の痛み)
そうなると寝てしまうととても楽であるが、確認を行うとそういう事だったので可能性は高まる。
2)動作確認(+)所見あり
屈曲:胸椎主導(+)
伸展:腰椎主導(+)
回旋:右回旋(+)→胸郭左回旋→胸椎屈曲と合わせて考えると左脹脛へ負荷はかかっている
胸式呼吸で吸気時、上部下部共に胸郭が拡張しない→仕事で集中すると息を止めている
以前、歯科医師に良く歯を噛みしめていないか?と聞かれた事も胸部に関わる筋そして横隔膜などのコア弱化に関係する
コンディショニング
1)胸椎伸展エクササイズ
2)胸郭右回旋エクササイズ、胸郭の可動性を取り戻す。
3)胸式呼吸からの横隔膜賦活化、上部胸椎伸展促通(内臓からの牽引力を軽減)
4)コアスタビリティ向上のため腸腰筋+多裂筋の促通エクササイズから脊柱起立筋の姿勢に於いての作用を軽減
5)僧帽筋下部繊維筋トレ
備考
驚くことに股関節と膝関節の伸展エクササイズは今回していない。
にも関わらず矢状面の姿勢がコンディショニング後に変わる、つまり勝手に股関節も膝も伸びて重心線が正常になった。
やはり上肢(パッセンジャー:荷物・乗客)が正常な位置に戻ると、ロコモーター(滑車・運搬機関)が正常化する、つまり分かりやすく書くと船の乗客が船室で偏ると船が傾き、それを修正する何かしらの力が必要になると言う意味だ。