気になるところ
腰痛
1)4日前から発症
2)右大腿部外側がしびれる
3)激痛で着座・起立動作および静止→動き始めがどの姿勢からの動きでも痛い
4)最後の一撃のパターンも不明、ただ数日前に右足首内反捻挫をしたのが原因?(過重負荷)
5)腰痛既往は中学生の時からある、整体院・整骨院への通院はあるが整形外科の診断は無い
6)野球部で肩や他の部位も故障の歴がある→そこから野球は諦め、現在は少年野球の指導をしている
7)野球指導時にキャッチボールで投球痛が右肩へある
8)4日前に鍼灸院へ行くが痺れは取れて、またすぐに痛みが戻った→急に寒くなった事と腰部の温めを指導されたので行う→余計に痛みが出て痺れも数日後に戻る
9)お母さまが当院のクライアント様と言う事で今回ご来院頂きました
仮説と検証
特徴
中学校から強度の高い運動を行っている
今回初めて右大腿部外側の痺れを感じる
動き始めだけ激痛(椎間関節や他の近隣組織に動き過ぎと動かない部位が混在)
安静位では痛みがない
動いた時でも痛みが有る時とそうでない時もある(痛みの変化が10vs0に近いくらいの変化)
特定の姿勢からの動作痛が限定出来ない
肩の投球痛も、今回の腰痛や大腿外側の痺れも患側右
捻挫では同じ動きでの痛みの強弱差は激しくない、しかし同一条件下での痛みの強弱差にて神経性の腰痛の可能性から疑い検証
1)仰臥位からの頭部の持ち上げ→腰部患側へ響きない
2)仰臥位にて母趾の伸展左右差の確認→力抜け無し
3)SLR(+)痺れなどは無いが発痛あり、但し神経経路の滑走性低下も考えられるが、現在は激痛のため鎮痛後詳細の評価を行う
力抜けや痺れ増強など神経性的問題は今のところ見れない、若干確率的には低くなったように思える。
2)姿勢評価
前額面:胸郭右回旋 右肩甲骨外転下制→前鋸筋過緊張と肩鎖関節・胸鎖関節のコンプレッション→上腕挙上制限からの投球痛に影響
矢状面:骨盤後傾 胸椎前屈(th7-9:第7-9胸椎)
問題点が患側右へ集中している要素
胸郭右回旋+猫背からの足部右へ重心が移動し荷重している事が否めない
つまり、歩行時にIC(踵接地)するも足部が完全接地する前に重心が右前方へ早く移動してしまう可能性がある
よって荷重を受けた足部→膝→股関節→臀部→スタビリティが下手な腰部へ力が加わる→骨や靭帯などの支持組織へも影響?と考える。
腰のスタビリティ低下(弱い理由)
骨盤後傾位から腹横筋や抗重力伸展活動の多裂筋+腸腰筋のトーンが低下し、腰部のスタビリティを骨や靭帯で支える必要性が出て来る、そこで支える事が出来なくなり脊柱起立筋群の出番となる。
脊柱起立筋群が支えられない体幹を無理やり固定し地面から起こすには、インナー作用の低下からアウターの代償が多く見られその結果多用され捻挫がある
なので今回も起立筋群の過緊張の炎症と過作用を止める事に専念し、消炎後明確な痛みの方向や場所を限定し負荷を抜いて恒久対策したい。
動作評価
屈曲:(±)前屈に不安があるが何とか可能
伸展:(+)頸部も胸椎もほぼ出来ていない、腰椎は嫌がりその姿勢を防御している
回旋:(+)立位でのテストはしないが、体位変換の際に回旋は激痛と確認できたのでしない
屈曲が可能と言う事で、腰椎椎間板の問題確率は減少したようにも思える
コンディショニング
1)アイシング20分
2)呼吸法からのインナー賦活化
3)右大腿後面と大腿筋膜張筋および臀部アプローチ
備考
術後の経過を確認
正直静止時からの初動痛は変化ない、しかし矢状面での姿勢評価は骨盤前傾が促され脊柱も生理的彎曲が戻りつつある。
更にアイシングを当院でも行った結果、右大腿外側の痺れが消失した。
アイシングの経過を期待したい、4日後に経過報告します。