気になるところ
1)ぎっくり腰の様になった、原因は身に覚えが全くない
2)1年前にも腰痛で来院した記憶がある(それ以前も既往あり)
3)激痛で日常生活が困難、発症当日は子供さんに起床時動作を手伝ってもらう
仮説と検証
1)姿勢評価
繰り返す腰痛から神経症状がないか?確認を行う。
感覚異常、歩行時の膝折れや力抜けなどは無い、先ずは左の腰部に特に痛みを感じるので先ずは鎮痛が急務と思われる。
前額面
激痛の割には代償動作は特にない(ー)
矢状面
激痛の割には思うほどの代償動作は無い
前方頭位(+)
胸椎伸展制限(+)
2)動作評価
激痛なので何も評価できない
3)その他評価
起き上がりの際の抗重力伸展活動に於いて多裂筋と腸腰筋の同時収縮作用の機能評価を行う。
伸展・屈曲痛(+)
特に屈曲ROM(可動域)が少なく、座位での骨盤後傾を他動的にセラピストが誘導しても動けない(嫌がる)
伸展はROM終末まで可能になるがエンドフィール最終でやはり発痛する特性がある。
この事からインナーである深部伸展筋の作用を使わない、アウターである伸展筋は脊柱起立筋群であり、今回は腰腸肋筋の過使用からの急性筋性腰痛症の様な気がする。
ちなみに
体幹伸展・骨盤前傾→腰腸肋筋収縮→受傷部が離開からの痛み
体幹屈曲・骨盤後傾→腰腸肋筋遠心性収縮(縮みながら伸ばされる)→受傷部が離開からの痛み
体幹伸展に起立筋群を使うデメリット
腰腸肋筋は体幹回旋動作を制限を掛ける。
体幹を伸展しながら回旋運動制限、日常動作での腹斜筋を使うなど回旋運動も起こすとインナー作用の低下を連鎖し、またアウターへ余計に過負荷が掛かり続けた結果の今回発症した痛みとも考えられる。
コンディショニング
1)先ずは消炎、アイシング20分
2)入浴制限
7日後に経過観察を行い、インナーを使う抗重力伸展活動(良い姿勢)をフィジカルへ再教育する
備考
冒頭でも書いたが、繰り返す腰痛が問題である。
お仕事が座業ゆえに骨盤後傾からの腹圧低下での筋支持が出来ない、その事から骨への負担も増えている。
こうしてダメージの蓄積は繰り返す頻度も今後増加し、神経症状へ至る場合もあるので鎮痛後は良い姿勢を行う練習が今後の予後経過に大きく関わる。