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じっとしていたら強くなる腰痛 30代 女性 会社員

気になるところ


1)腰痛
2)首痛
3)肩こり

元来の肩こりがあり、今回はじっとしていると底から沸くような腰痛との事でした。

実はご結婚なされ2人出産経験があり、以前も産後骨盤調整も興味あり整骨院や整体へ行く。

妊娠時に腰部への違和感や痛みが有った事も踏まえ、好転があるのも期待し行くも変化なく、腰痛の度合いもだんだん酷くなって来た感じからのご来院と言う経緯でした。

 

お話の中で気になる事が数点
元来の首や肩の凝り感が独身の際からある
じっとしていると痛く、動き出すとそこまでも無い
妊娠後から腰痛が発症

 

この事からも姿勢痛と考え、先ず肩の問題点がどうして起きているのかから突き崩してゆく。

 

 

 

 

 

 

仮説と検証


1)矢状面からの立位姿勢確認
前方頭位→Th1-3(第1-3胸椎屈曲)からの頸椎中位の過伸展と言う姿勢変調

 

2)1から下向性運動連鎖の確認
胸椎屈曲→腰椎スウェイバック※腰を前に突き出している→骨盤後傾→股関節・膝屈曲外旋→足関節うちがえしと外旋

 

3)腰痛の疼痛誘発は伸展
のけ反り動作を行うと腰椎が可動性亢進(動き過ぎ)で、胸椎の協力的な進展が見れない

 

4)3の動き過ぎの部位が疼痛部位で、動作は伸展と判明

 

5)1の前方頭位も4の腰痛も胸椎の屈曲および伸展制限が問題と仮説、胸椎へ伸展可動域を与えるとどうなるのか?確認する

 

 

 

 

 

 

コンディショニング


1)胸椎伸展エクササイズ

2)猫背からの吸気の際に胸郭の拡張が少ない→胸郭拡張エクササイズ

3)横隔膜・前鋸筋・外腹斜筋ハンズオン(手技)

胸椎伸展可動域からの同調する痛みが、動作当初から出ていたものが椎骨の最終可動域(動作を一杯して限界のところ)まで痛みが起きにくくなる

消失に至らないのは、前述のTh1-3の伸展が一度に出ない事が要因かも知れない、故にホームエクササイズを伝え7日後に経過観察を行います。

 

 

 

 

 

 

備考


骨盤調整のお話をよく伺います、確かに産後は靭帯が緩んでしまう傾向もあるかも知れません。


ただよく感じ書くことは「骨盤の開きも締まりも両方アクティブでないといけない」と言う事です。

 

例えば歩行に例えると、足を地面に着かず前方へ出す際には骨盤ががちがちに硬くてはうまく振り出せません。

また、足を地面に着いてしっかり踏みしめる際には骨盤がゆるゆるでも地面からの反力に対し、フィジカルの方が負けてしまいヒトの行動に制約が起きたり痛みになります。

 

それと、骨盤が緩むと太る?とかの文言もあるようですが、私的には緩むと言うより姿勢が「機能的:いつでも動ける」が良い、「安楽的な:骨盤後傾で楽」姿勢だと骨盤後傾を誘発し、その際に椅子に座り体重を骨盤へ移乗する方が腰痛などのトラブルに繋がります。

 

また骨盤へ内臓が落ちる、そんなお話をお伺いもしますが内臓は通常横隔膜や他の腹膜にぶら下がり、かつ腹横筋などのインナーが機能している場合、そこまで内臓が落ち込む事も少ないです。

 

そのインナーを作用させるスイッチが「機能的姿勢」であり、皆様が気にされている骨盤の開きも好転し、骨盤調整・・そこだけのアプローチより効果的だと思います。