気になるところ
肩こり、首の痛み
特に左に問題がある。
実はご来院前にカイロプラクティックに行かれていたとの事。
そこで枕を勧められ約2万円の専用枕?的な物品を勧められ、毎晩使い寝てくださいと言われる。
それと骨盤が捻じれているので太りやすいと言われ、腰椎・骨盤操作?矯正しましょう、骨盤ベルトを買ってつけて生活してください、そう言われボキボキされる。
その後一瞬良い気がした、特に枕はそう感じたが14日経過後肩こりは悪化し、大椎(第一胸椎)は後方吐出を感じ今回来院となる。
仮説と検証
1)枕の必要性?
結果から言うと枕は必要なく、余計に肩こりや首の痛みの悪化を伴う、つまり寝ていても前方頭位を誘発する姿勢である。
つまり起きていた際には元々猫背故に頸椎アライメントからの頭部は下を向く(下部頸椎屈曲)、よって中位の頸椎は急カーブを切って上を向くように過伸展を起こす姿勢が常態化、つまり痛みや生活に都合がよい代償行為。
その事で重力の地球鉛直上に引かれる力に抵抗するべく、後頚部の筋が過緊張を起こす、つまりこれが痛みの問題点と考える。
故に寝ている間も枕により同姿勢を行う事で、常に後頚部は過緊張を起こし痛みを感じてしまう、しかしながら一瞬楽に感じたのは、重力方向が寝る事で変わるのと頭部を枕で支え荷重負荷が減少したこと。
しかし起きたらその姿勢が悪化し、更に大椎の後方吐出を招き今回の問題に至る。
2)骨盤の捩じれの確認
前額面(前)での左右の傾きおよび矢状面(横)でのPSIS(上後腸骨棘)とASIS(上前腸骨棘)の落差も指2横指内に収まり問題ない。
そもそも正しい骨盤の認識をクライアント様へお伝えし知識の修正
骨盤はアンロック(後傾緩み姿勢)もロック(前傾しまり位置)の双方出来なければならない。
歩行で例えると、片足立ちの際には骨盤を前傾ロックして体幹他支えなければならない、しかし脚を前に振り出す際には骨盤を一瞬アンロックにして股関節の動き他、自由度を高める必要がある。
この事からカイロで指導を受けた骨盤ベルトをしときなさい(購入させる)、この必要性はほぼないと考え、更にロックとアンロックの切り替えは自然かつ随意的(意識的)に行えないといけない、そのトレーニングは必要です。
つまり骨盤が捻じれている根拠もなく、クライアント様に腰痛他問題点もなく、痩身へつながる根拠もない事を説明しました。
更に骨盤ベルトで自由度を束縛し、代償行為から逆に腰痛が出てしまう可能性もある。
コンディショニング
1)大椎の伸展エクササイズ→ホームエクササイズ指導込み
2)もし痩身の意思があればお手伝いできる事をお伝えしました、但し食事管理が必要なので本来なら栄養士の指導も介入が必要で、ご自身でするならアプリも使える事をお伝えしました。
備考
セラピストは本当に襟を正さないといけないと思いました。
いつも理学療法の勉強会に出ますがある講師のお言葉が耳に残ります、「クライアントに行う施術は良くならなければそのまま?いえ悪くなることもあります」
まさに今回のケースがそうだと感じました。
セラピストは常に自身の行動に責任が付きます、更に命をお預かりし今後の生活へ影響を与えてしまう事すらあります。
常に勉強しクライアント様へ貢献できるようにしたいと感じました。
加えて言うなれば・・chiropractic(chiro=手 practic=技術)はギリシャ語で手技療法の意味を示します、つまり物品販売ではありません。