気になるところ
右腕を挙げることが難しい。
身体が左へ流れ真っ直ぐ歩きにくい
クライアント様は80歳高齢の女性で元医療従事者で、現在も高齢者福祉関係のボランティアほかされている、とてもアクティブな生活を送られている。
今回の問題点について実は7年前に起きた既往が関係する?
既往:脳梗塞(一過性)にて投薬歴あり、四肢麻痺は無い
ご自身で発声の「だ行」が言えないと気づき、即対応されて大事には至らなかった
交通事故障害で同時期に脛椎損傷
これは事故当時右手へ可動域障害が残り、挙上出来ない問題があったとの事→その後代替医療で好転したとお聞きする。
今回の問題点は既往の後遺症と本人様は言われる、しかしながら?と言う所がとてもキーになると考える。
仮説と検証
1)右上腕挙上を疼痛誘発位で行う
上腕内旋位+屈曲で発痛 上腕中間位では発痛しない
挙上の際に正常な肩甲ー上腕リズムが行えていない
右肩甲骨が外転+下制しいわゆる巻き込み肩になる→右前鋸筋ー右外腹斜筋の筋連結の緊張を確認→前鋸筋過緊張を認めハンズオン(手技)→挙上痛が消失
2)主訴の中で、脳梗塞の後遺症を気になされていた歩行障害(右脚の不自由さ)歩行時に左へ流れるとの事。
問診を進めるうちに左足部外側へ「タコ」がある、加えて左膝前部痛があるとの事から足趾第2趾と膝蓋骨の中心を結ぶライン、これと歩行軌跡が合わなくつまり股関節が過外旋していた。
特に立脚中期ー後期に於いて足底荷重の抜けが、踵から拇趾側へ抜けてなく拇趾ー第3趾への中足骨拡がりが少なく、地面をつかめない。
加えて足関節の背屈可動域が健足右と比較し全く無いことからも、歩様が変化したのでは?と考え修正を行う。
3)姿勢の変化で支持基底面に対しての重心コントロールの修正
猫背なのでその修正として、上部胸椎を伸展させるも両側下肢へ「まるで持たれた違和感」がある。
脛椎損傷の既往が作用し、神経症状を起こしているので手技を即中止にした。
代替として、お昼寝を行って頂き問題なければ10分程度うつ伏せにも寝てもらう。
コンディショニング
1)前鋸筋ハンズオン
2)胸椎伸展促痛のためのお昼寝指導
3)股関節内転・内旋可動域の拡充
4)右膝歩行痛対策、大腿四頭筋のハンズオンで膝蓋関節のゆとりを作る
5)距腿関節(足関節)の背屈促通
備考
大きな病気の後遺症があると思い込まれている部分もあり、セラピストは辺りをかんがみて仮説と検証を繰り返す必要があると、改めて感じましたが少しでも好転があればと思います。
結果的に、脳梗塞の既往より頸椎損傷の方が現時点では日常生活での影響は大きいと考えます、その問題部位を中心に姿勢が上手くご自身でコントロールできるようにお手伝いできればと考えます。
次回はまた1週間後今回の術後経過観察とします。