気になるところ
背中の痛み
既往:4年前有料運動クラブにてスクワットをしていたら背部へ痛みがあり専門医へ受診、1回目の受診にて特に異常所見は認められないとの事。
痛み止の処方をもらい経過するも沈痛しない、さらに別の病院へ行くと結果はth12の骨折といわれたとの事(想定するところの第12胸椎ー第1腰椎椎間板の圧迫骨折と推察)
コルセットをして消炎剤と安静からの回復
しかしながら今でも寝た姿勢以外は背部への痛みを感じる。
今回ご来院頂きこれからの手技実施において気になることがあるが、圧迫骨折の原因として「貧血」ほかまつわる「骨粗しょう症」がある、しかしながらその所見は認めないらしく、現在念の為と言うことで医師の初処方はあるとの事。
当院では関節にまつわる姿勢によるメカニカルストレスの問題に対して行いたい。
仮説と検証
1)猫背
伸展→腰椎依存
屈曲→胸椎依存
双方とも、動きが少なく特に伸展動作に主訴部位痛を感じる事が分かった。
特に胸椎は亀背も強く、他動運動でも動かない→椎間板圧迫からの内圧向上と水分含有率の低下が推測される
胸最長筋や腰腸肋筋の過緊張も強く、抗重力伸展活動での良い姿勢もアウターを使い行う、つまり多裂筋と腸腰筋の同時収縮作用も出来ていない、腹横筋のトーンも低い。
2)1にともない肩甲骨の外転+下制
前鋸筋の収縮と拮抗する菱形筋のトーン向上
3)起きている際には背部痛は起きない
仰向けに寝る(既往患部の圧迫)体位も問題なく無痛→過去患部の直接原因は確率的に少ない、TH12ーL1の椎間の動きは(圧迫骨折)無いものの直接の問題には確率的に低い。
4)板の間に仰向けに寝ると背骨が当たり痛い
恐らく亀背の棘突起がフローリングへ当たり痛みを起こすと考える、胸椎の伸展運動が出来ない固着からも言える。
コンディショニング
1)胸椎の伸展エクササイズ
2)呼吸を使い胸郭を広げる→姿勢の確保
3)鏡を使い、現状の姿勢を意識してもらい目視と体性感覚をすりあわせし、ボディイメージを変えてもらう
4)ホームエクササイズを行う様に指導
備考
NRS7→3(痛みの10段階評価)
クライアント様はどうしても昔の傷を思い、そこばかりに気をとられるが実際荷は姿勢と重力の関係性がとても痛みに関係していることが多い。
今回もそれを再認識する症例でした。
病院でも歩く指導をされたそうですが、このままの姿勢だと歩行に代償が入るので更なる問題点の引き金にもなりやすい、なので先ずはうまく重力にあがなえる姿勢確保が必要です。