気になるところ
急性腰痛:右腰部の痛みで特に前屈痛
6年ぶりくらいに身に覚えがない痛みを感じた、このままだとぎっくり腰になりそうで怖いと思い2年ぶりのご来院。
あえて原因と言えば数日前に子供のサッカー観戦で1日中ベンチに座っていた事くらい。
仮説と検証
1)身に覚えがないと言う事で原因を探る
先ずは前屈痛ほか自動運動痛と可動域を確認
前屈:(+)立位座位共に痛みがある→上半身に問題がありそう
伸展:(ー)動作痛がないものの、胸椎が全く伸展できていない、
体幹伸展動作の中で下部腰椎のハイパーモビリティ(動きすぎ)を認めた
回旋と側屈:(ー)動作痛はないがやはり胸椎(胸郭)の動きが悪い
2)1からの胸郭(胸椎)の可動性について問題がありそうなので深堀した
3)呼吸が(吸気)浅く特に上位胸椎のポンプハンドル運動と胸椎のバケツハンドル運動が小さい→余計に胸椎屈曲位で伸展制限の因子になる
4)特に右胸郭が小さく、みぞおちの角度(肋骨下角)が鋭角で吸気が上手く吸えない事も考えられる
5)今年4月に開腹オペをされているとの事で、表皮も引っ張って縫合してあるので余計に腹膜の癒着や、表皮のテンション増強で胸椎(th2:第2胸椎)を屈曲および伸展可動域制限を起こしやすい、現にth2アライメント異常から下部後面脛椎の軟部組織過緊張(自覚が薄いが首のこり)を認めた
コンディショニング
1)胸郭をハンドリングして呼吸練習
2)鏡を使い姿勢修正(体性感覚と黙視の状態を擦り合わせた)
3)臀部以降下肢のハンズオン(手技)
4)早めのご来院と言われるも、炎症の可能性もあったのでアイシング→結果的には炎症はそうでもなかった
備考
NRS8→1になる(痛みの10段階評価)
今回は見に覚えの無いとの事ですが、お仕事での座業の連続で骨盤後傾の誘発、それを止めるが如く起立筋の過緊張と姿勢維持が原因と思われます。
元々、腰椎前彎姿勢が本来なので、開腹オペで表皮や腹膜のテンションが緊張すると前屈みになり、腰椎も屈曲して猫背を誘発します。
更にお仕事で常に座業と言うことからも、椅子座面の5°以下と言う骨盤後傾誘発する姿勢を長く続けること
今回の最終は、子供のサッカー試合を観戦で1日中ベンチに座って以降の発痛、この条件が揃い今回の問題かもしれません。