背部や腰の痛みは風邪と共に来た 60代 女性  保育士

気になるところ

 

背部痛・腰痛(左腰部)

10月に北陸へ旅行してから不調、咽頭痛で熱は出ない嚥下痛

保育士なので園で子供から罹患した

内科へ掛かり抗生剤投与も、あまり好転がないためと咽頭痛があるため耳鼻咽喉科へ現在受診中

 

 

 

仮説と検証

 

1)姿勢評価

前額面:胸郭左回旋 左鎖骨挙上と肩甲骨も頭方へ持ち上がりあり 

伏臥位にて左胸郭の盛り上がりが若干感じられる、押圧すると右側に対し抵抗感

 

矢状面:前方頭位 胸椎屈曲(th1-3:第1-3胸椎) 骨盤後傾 股関節・膝関節屈曲

 

2)動的評価(+:所見あり)

前屈:(+)胸椎主導で腰椎の屈曲小

伸展:(±)胸椎伸展はしにくい、但し腰椎の伸展優先ありの印象

回旋:体幹右回旋制限

 

3)他評価

左側背面に触診時の痛みが多い

胸部―腰部ー臀部ー大腿後面ー下腿、と考えたら体幹を左回旋し胸椎屈曲作用にて重心が左つま先へ集中。

つまり左側の床反力を多用し立位や座位を維持している事が判明。

 

更に現時点の抗重力姿勢を維持している作用筋を探る

骨盤の前後傾自動運動がやはりできない→脊柱起立筋の過緊張で、他動的にセラピストが介助しても不可能で上肢が前後について動く。

 

胸椎の伸展を促す(th1-2)、こうすると骨盤前後傾運動が幾分出来るようになる事から、起立筋の弛緩とそもそもの抗重力伸展筋を使うためのコアスタビリティを高めるための筋を賦活化する必要性が分かった。

 

加えて今回は風邪に罹患されているとの事、保育士さん故子供からの罹患はウイルスの勢力もかなり強いと専門医から依然聞いたことがあります、そして高熱も出なかったと言う事で体内の炎症反応も少なく関連組織へ痛みを作りやすいフィジカルかも知れない。

 

 

 

 

コンディショニング

 

1)上部胸椎伸展エクササイズ

 

2)胸式呼吸

 

3)コアスタビリティの賦活化エクササイズ

 

4)風症状が収まり次第自宅にて上記のエクササイズを行うように指導

 

5)右前鋸筋(特にrib2:第2肋骨)のリリース

 

 

 

 

 

 

備考

 

やはり胸郭の機能障害+腹部のコアスタビリティの低下が、正しい姿勢を作らなくなるばかりかこうした痛みを作る事を再度お伝えしたい。

 

今回下肢のアプローチはさほどしなかった、しかし立位時に膝の軽度屈曲位など異常姿勢は認めたが、メカニカルトラブルはほぼ無くやはり上肢の姿勢制御に使っていたと思われた。