· 

頭痛でたまらなくなり来院 40代 女性 介護事務

気になるところ 


頭痛(特に左頭部)


1)以前から肩こりを酷く感じると頭痛になる(締め付けられる痛み)

 

2)半年前に脳外科へ受診「頭部より下の問題」と言われた、ご本人はやはり肩こり?と考える。

 

3)実は腰も痛みが有り、立位矢状面画像(立位横から)では下部腰椎の過伸展が見れる。

 

 

 

 

 

仮説と検証


気になるところ2の「頭部より下の問題」という、専門医の評価からも姿勢制御の確認として画像撮影を行い、追加評価のひとつとする

 

1)矢状面評価
頭部は地面に対し垂直ー頸部は伸展上部胸椎屈曲(th1-3:第1-3胸椎)-下部胸椎比較的フラットー腰椎過前彎ー骨盤やや前傾ー股関節やや屈曲ー膝関節やや屈曲ー足関節底背屈0°

 

この姿勢から違和感を感じるところとして以降続ける

 

2)全体的に引いてみるとのけ反る努力性の抗重力伸展活動→脊柱起立筋群の過作用

 

3)th1-3屈曲に対し頸椎が正常湾曲?
通常なら頸椎の土台になるth1-3のアライメントが屈曲していると、必ず頸椎は前方頭位を示す。

 

しかしこの姿勢のギャップは努力性の姿勢であるし、かなり配列に無理がある。

 

3)2のth1-3の伸展可動域の有無
他動的にセラピストが伸展運動を促す、軽度の緊張や硬さと同時に主訴も痛みが有る、ただ心地よい感じでその動作から頭部の持ち上がり(伸展ROM:可動域の問題は少ない)

 

つまり2のアライメント異常は姿勢制御から見てもそこまで必要ない、更に連続する下部胸椎の伸展可動域も問題なかった、つまり骨の猫背は無い。

 

4)腰椎過前彎
気になるところ3にも書いたが腰痛持ち、実は左の腰方形筋膜が盛り上がり硬い(頭痛患側と同方向)、起立筋群との関係性からも側屈運動を介入させ弛緩出来た。

 

ただ気になるところは立位姿勢であれだけ過伸展していた、しかし仰臥位にて確認を行うと施術テーブルに密着し、手が入る隙間も出来ない事から骨関節性の問題は希少と考える。

 

5)足関節底背屈0°
いつも事務仕事でほぼ立ちっぱなしは無いと想像できた、今回の唯一可動域が無い部位がここである。

 

但し椅子に座っていてもその高さの合致故?足で地面を踏ん張り常に足関節を底屈にしている事は想像の範疇、但し現状はこむら返りなどは無いとの事。

 

この事から、この努力姿勢の経緯は
足関節背屈出来ない事から上行性に関節が動きかつ、支持基底面へ重心を努力的に入れようとした運動波及の問題と仮説、その伸展しすぎた体幹を屈曲方向へ戻す、その作業を外腹斜筋ー前鋸筋が担う。

 

6)巻き肩と立位姿勢での手を幽霊のように持ち上げる癖
文字なので分かり難いから幽霊の手と大げさに描いたが、動作自体はそこまでオーバーアクションではない。

 

しかしながらそんな方向へ立位―重力へ逆らう姿勢、通常なら力を抜いた状態で腕や手は下垂する。

 

5でも書いたが巻き肩は事務仕事からの問題もあるが、のけ反り姿勢の体幹位置修正から派生し、外腹斜筋の両側を(特に左)を過緊張させる事で、努力性の姿勢が可能になる。

 

 

 

 

 

 

コンディショニング


1)足関節の伸展促通エクササイズ

2)前鋸筋ー外腹斜筋ハンズオン(手技)

3)上部胸椎伸展エクササイズ

4)僧帽筋伸展エクササイズ

5)ボディイメージの目視を使い変換と再学習

6)胸式呼吸修正

 

 

 

 

 

 

備考


姿勢は修正された、クライアント様も心配なされるも「その時は良いけど」である。

 

その補足として最低月1回はご来院頂きたい事と、鏡を見てのイメージトレーニングも必要なのでその旨をお伝えした。

 

ちなみに術前画像とは違うのと肩こりの緩和を感じられた、身体の力が抜けて努力性ののけ反り姿勢は消失し、幽霊の手もしなくなるので頭痛はご自宅にて今後の経過とした。